万城目学の『八月の御所グラウンド』を読んで

こんにちは。ミサゴパパです。今回は万城目学さんの『八月の御所グラウンド』を読んだ感想です。

『八月の御所グラウンド』は、万城目学が16年ぶりに贈る京都を舞台にした青春感動作であり、第170回直木賞を受賞したことからもその質の高さがうかがえます。物語は二つのエピソードを通じて、読者に多くの感動と教訓を提供します。

『十二月の都大路上下ル』:女子全国高校駅伝のエピソードでは、方向音痴な女子高生が都大路でピンチランナーとして奮闘します。彼女の成長過程を追いながら、挫折や苦難を乗り越えることの意義を感じることができます。特に、チームメイトとの絆が深まるシーンは感動的で、読者も一緒に応援したくなることでしょう。

『八月の御所グラウンド』:一方、謎の草野球大会に参加する大学生のエピソードは、借金という重いテーマをコミカルに描きつつも、人生の大切な教訓を伝えています。早朝の御所グラウンドで繰り広げられる奇妙な野球大会は、彼にとって一生忘れられない経験となります。この物語を通じて、予期せぬ出会いや出来事が人生を豊かにすることを改めて実感します。

万城目学の細やかな描写と京都の情景描写が相まって、読者は物語の中に引き込まれます。『八月の御所グラウンド』は、青春の一瞬一瞬を大切にしながら生きることの大切さを教えてくれる素晴らしい作品です。人間関係の温かさや、何気ない日常の中に隠されたドラマを楽しみたい方に是非お勧めしたい一冊です。

万城目学の『八月の御所グラウンド』は、小気味よい文章で読者を引き込み、すぐに読み終えることができる魅力的な作品です。当作は、『八月の御所グラウンド』と『十二月の都大路上下ル』の二つの物語から成り立ち、どちらも不思議な話ながらも、現代と過去のリンクの仕方が巧妙で、怪異すら納得させられます。

夏の京都の殺人的な暑さが生々しく描かれており、その臨場感に引き込まれる一方で、自分がその場にいたら耐えられないと感じるほどです。特に駅伝の女子高生の物語は、青春の葛藤や成長を描き、読者の心に深く響きます。

万城目学の筆致は、どんな不思議な話でも納得させる力を持ち、読者を引き込みます。この作品を読んで、京都を訪れたいと思わせるほど魅力的です。『八月の御所グラウンド』は、青春の甘酸っぱさや人間関係の温かさを再確認させてくれる素晴らしい一冊です。次回作も楽しみにしていますし、続編が早く読みたいです。また、沢村栄治に関連する本を読みたいリストに追加しました。

この作品は、青春の一瞬一瞬を大切にしながら生きることの大切さを教えてくれる素晴らしい作品です。京都の魅力と共に、不思議な物語に浸りたい方にぜひお勧めします。

第168回直木賞受賞作「地図と拳」
今回は小川哲さんの「地図と拳」を読んだ感想です。この作品は第168回直木賞と第13回山田風太郎賞を受賞した超大作です。 実在の歴史を取り入れながら、フィクションの要素を組み合わせた、600ページもの作品になっています。この物語は、寒村である李家鎮を舞台にし、理想の郷という噂に魅了された人々によって、次第に大規模な都市

コメント