人類の歩みを一望する読書体験——『サピエンス全史』を読んで考えたこと

こんにちは。ミサゴパパです。

人類はどこから来て、今どこにいて、これからどこへ向かうのか。
そんな壮大な問いに真正面から向き合った一冊、それがユヴァル・ノア・ハラリ著『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』でした。

読了後、私の頭の中にはまるで巨大な地図が描かれたような感覚が残りました。ホモ・サピエンスという一種の動物が、数十万年というスケールで世界を形作ってきた過程が、これほど論理的かつ物語的に語られるとは思ってもみませんでした。


■「虚構」が生んだ人類の力

本書で最も印象に残ったのは、人類が「虚構(フィクション)」を信じる力を持っていたことが、文明を築く鍵だったという指摘です。国家、宗教、貨幣、企業といった現代社会の基盤が、実はすべて「想像上の秩序」であり、現実そのものではない――この考え方には驚かされました。

私たちは「実在しないもの」を共有することによって、見知らぬ他人とも協力し、都市を作り、帝国を築いてきた。まさにそれこそがサピエンスの強みなのだと、本書は教えてくれます。


■進歩は幸福をもたらしたのか?

もう一つの重要な問いが、「文明の発展=人間の幸福向上ではないのでは?」というテーマです。農業革命や産業革命は、私たちの生活を便利にした一方で、労働時間の増加や格差の拡大、環境破壊といった新たな問題を引き起こしてきました。

本書はその現実に目を背けず、淡々と、しかし鋭く分析しています。読んでいて、現代の私たちの生活の「前提」を疑う視点を持つことの大切さを改めて感じました。


■一人の「サピエンス」として何を考えるか

『サピエンス全史』は単なる歴史の本ではなく、「人類とは何か」「自分はどう生きるべきか」という問いを私たち一人一人に投げかけてきます。特にAIやバイオテクノロジーが進化する現代において、「人間らしさ」とは何なのかというテーマは、ますます切実になっています。

本を閉じたあと、私はしばらく空を眺めました。長い人類史の中の一瞬を生きる存在として、自分がどうありたいのか、どう生きたいのかを静かに考える時間が必要だと思いました。


【まとめ】

『サピエンス全史』は、単に知識を得るための本ではなく、「世界を見る目」を変えてくれる一冊です。もし、今の社会や自分の生き方にどこかモヤモヤを感じているなら、ぜひ手に取ってみてください。きっと、新しい視点が開けるはずです。

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