内館牧子さん逝去――ドラマと相撲、そして言葉で時代を照らし続けた77年

こんにちは。ミサゴパパです。

年の瀬が近づくこの時期、ひとつの大きな訃報が日本中を静かに包みました。
脚本家・作家の内館牧子(うちだて・まきこ)さんが77歳で亡くなったというニュースです。

テレビドラマを通じて、あるいは相撲界との深い関わりを通じて、内館さんの名前を知っている方は多いでしょう。ですが、改めて振り返ってみると、彼女は単なる「人気脚本家」という枠に収まらない、時代の空気を言葉にし続けた表現者だったのだと感じます。

■ 日本のテレビドラマ史に残る脚本家

内館牧子さんは、NHK連続テレビ小説『ひらり』をはじめ、『私の青空』『毛利元就』など数多くのドラマ脚本を手がけました。
彼女の作品に共通しているのは、人生のままならなさを、説教くさくならずに描く視点です。

登場人物は決して完璧ではなく、迷い、失敗し、時に不格好です。けれど、だからこそ視聴者は自分自身を重ね、「それでも生きていくしかない」という現実を受け止めることができました。
華やかな成功譚よりも、日常の葛藤を丁寧に描く脚本は、多くの人の記憶に残っています。

■ 相撲界と向き合った「異色の存在」

内館さんを語るうえで欠かせないのが、横綱審議委員会の女性初の委員という立場です。
伝統と格式を重んじる相撲界において、彼女の存在は当初「異質」とも受け取られました。

しかし内館さんは、単なる外部批評家ではありませんでした。相撲を深く学び、敬意を払いながらも、言うべきことははっきり言う。その姿勢は次第に評価され、相撲文化を守りつつ問い直す存在として大きな意味を持ちました。

伝統とは、守るだけではなく、時代とともに問い続けるもの――
その考え方は、今の日本社会全体にも通じるものがあるように思います。

■ 作家としての内館牧子さん

ドラマ脚本だけでなく、小説やエッセイ、コラムでも内館さんは活躍しました。
そこにあったのは、歯切れの良い言葉と、時に辛辣で、しかしどこか温かい視線です。

女性の生き方、老い、家族、仕事、社会との距離感。
彼女の文章は、「きれいごと」に逃げず、それでいて人を突き放さない。読む側に考える余白を残してくれる文章でした。

■ 言葉で時代を照らした人

内館牧子さんの死去は、一人の著名人の訃報というだけでなく、ひとつの時代の語り部を失った出来事のようにも感じられます。

テレビドラマが今ほど多様化していなかった時代、
女性が社会で発言することが今ほど当たり前ではなかった時代。
その中で、彼女は言葉の力で道を切り開いてきました。

私たちが何気なく見ていたドラマのセリフの中に、
知らず知らずのうちに、彼女の覚悟や信念が込められていたのかもしれません。

■ 最後に

内館牧子さんが残した作品は、これからも繰り返し見られ、読まれ、語られていくでしょう。
人が生きるということの「面倒くささ」と「愛おしさ」を、これほど誠実に描いた書き手は、そう多くありません。

心よりご冥福をお祈りするとともに、
これまで届けてくれた数々の言葉に、静かに感謝したいと思います。

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