宵えびすに願いを預けて ―― 静かな夜に思う「福」とは何か

こんにちは。ミサゴパパです。

今日は1月9日。十日戎の始まりである「宵えびす」の日です。
ニュースやSNSではまだ正月気分の余韻が漂っていますが、関西に暮らしていると、この宵えびすを境に「いよいよ一年が本格的に動き出すな」と、背筋が少し伸びる気がします。

宵えびすは、本戎ほどの賑わいはなく、どこか落ち着いた雰囲気があります。
境内を歩く人たちも、威勢のいい掛け声に身を任せるというよりは、それぞれが自分の事情や思いを胸に、静かに戎様と向き合っているように見えます。
私はこの「宵」という言葉が、昔からとても好きです。
昼と夜の間、明るさと静けさが混ざり合う時間。そこには、焦りも期待も、少しの不安も共存しています。

戎様は七福神の中で、唯一日本生まれの神様だと言われています。
右手に釣り竿、左脇に鯛。
豪華絢爛というより、どこか素朴で親しみやすいその姿は、「働く人」「生きる人」のすぐそばにいてくれる存在のように感じます。
商売繁盛、漁業の神、五穀豊穣。
どれも派手な成功というより、「日々がちゃんと回ること」「明日も暮らしていけること」を支えてくれるご利益です。

50代になって思うのは、「福」とは何か、という問いです。
若い頃は、福=成功、福=結果、福=お金、そんな単純な図式で考えていました。
けれど、今は少し違います。
家族が元気でいること。
仕事があり、悩みながらも考える余地があること。
犬の散歩をしながら季節の移ろいに気づけること。
こうした一つ一つが、実はとても贅沢な「福」なのではないかと思うようになりました。

宵えびすの夜、福笹を手にする人たちを見ていると、誰もが何かを必死に願っているわけではないようにも見えます。
「去年もなんとかやれたから、今年も無事に」
「大きなことはいらないから、続いてほしい」
そんな、控えめで切実な願いが、静かに空気に溶け込んでいる気がするのです。

本戎は華やかで、残り福は粋でいい。
でも私は、この宵えびすの、少し抑えた空気感が一番好きです。
まだ結果は出ていない。
でも、願いを持つことは許されている。
その「途中」に立っている感じが、人生そのものに重なります。

明日は本戎。
きっと境内は人で溢れ、「商売繁盛で笹持ってこい!」の声が響くことでしょう。
でも今夜は、宵えびす。
静かな夜に、今年一年をどう生きたいのか、どんな福を大切にしたいのかを、そっと戎様に預けてみようと思います。

大きな成功ではなくてもいい。
派手な結果でなくてもいい。
ちゃんと働き、ちゃんと悩み、ちゃんと笑える一年でありますように。

宵えびすの夜は、そんな「等身大の願い」を受け止めてくれる、優しい時間なのだと思います。

……そして、宵えびすの境内を後にする頃、私は毎年ほぼ同じことを考えます。
「今年は、どんな一年になるのだろうか」と。

若い頃は、未来は自分の努力次第でどうにでもなるものだと、どこかで信じ切っていました。
努力すれば報われる。
頑張れば道は開ける。
もちろん、それは今でも間違いではないと思っています。
ただ、50代になって分かってきたのは、人生には自分ではどうにもならない要素が、思っていた以上に多いという事実です。

景気、会社の方針、社会の空気、家族の体調。
どれも自分一人の力ではコントロールできません。
そんな現実を前にすると、人は自然と「願う」という行為に立ち戻るのかもしれません。
十日戎は、努力を放棄するための祭りではなく、努力だけでは足りない部分を、そっと神様に預けるための場なのだと、私は思います。

宵えびすの静けさの中で聞こえてくるのは、鈴の音や足音だけではありません。
それぞれの胸の内にある、小さなため息や、言葉にならない祈りです。
それは決して弱さではなく、「生きている証」そのもののように感じます。

家に帰れば、いつも通りの夜があります。
テレビをつけ、家族と他愛もない会話を交わし、犬が足元で丸くなる。
特別なことは何もありません。
けれど、この「何もない夜」を当たり前に迎えられることこそ、戎様がもたらす福なのではないでしょうか。

明日からまた、仕事が始まり、日常が本格的に動き出します。
不満もあるでしょう。
思うようにいかない日もあるでしょう。
それでも、宵えびすの夜に一度立ち止まり、自分なりの「福」を確認できたなら、多少の波風には耐えられる気がします。

宵えびすは、賑やかな祭りの前夜でありながら、どこか人生の節目に似ています。
派手な成功の前でもなく、失敗の後でもない。
「これから」に向かう、ほんの一瞬の間。
その時間を大切にできるようになったこと自体が、私にとっては一つの成長なのかもしれません。

さて、今年はどんな一年になるのでしょうか。
答えは、きっとすぐには出ません。
でも、宵えびすの夜に感じたこの静かな気持ちを忘れずに、一日一日を積み重ねていきたいと思います。

こんにちは。ミサゴパパです。
今年もまた、戎様に見守られながら、等身大の歩幅で進んでいく一年にしていきます。

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