
こんにちは。ミサゴパパです。
橘玲さんの『新・貧乏はお金持ち 「雇われない生き方」で格差社会を逆転する』を読み終えたとき、私は思わずため息をつきました。
「もう“まじめに働くだけ”では豊かになれないのか」――そんな現実を突きつけられたような気がしたからです。
しかし同時に、この本は「絶望の書」ではありませんでした。
むしろ、変化の時代を生き抜くための“設計図”のような一冊です。
橘さんが提示するのは、「サラリーマンでも会社をつくる」という、これまでになかった発想でした。
■ 「働いても手取りが減る」時代に生きる私たち
今の日本では、年収が上がっても手取りがほとんど増えない現象が起きています。
所得税、住民税、社会保険料――働けば働くほど引かれるお金が増え、可処分所得はむしろ減っていく。
橘さんはこの構造を、「勤労者ほど搾取されるシステム」と冷静に分析しています。
私たちは「給料が上がれば豊かになる」と信じてきました。
けれども、本書を読むと、その常識がすでに崩壊していることに気づかされます。
手取りが減る時代において、本当に豊かになるには、“収入の形”そのものを変える必要があるのです。
■ 「マイクロ法人」で“雇われない生き方”を実現する
本書の中で特に印象的だったのが、「マイクロ法人」という概念です。
これは、個人が自分自身のために小さな会社をつくるという発想です。
社員は自分ひとり、資本金も最小限、しかしその効果は絶大です。
たとえば、サラリーマンが副業収入を得た場合、通常は高い所得税率がかかります。
しかしマイクロ法人を設立して、その収入を法人経由にすれば、経費計上や社会保険の最適化によって、実質的な手取りを増やすことができるのです。
橘さんは、こうした「制度の裏側を知ることこそが、現代におけるサバイバル知識だ」と語ります。
お金の世界には、「知らない人が損をし、知っている人が得をする」という冷酷なルールがあります。
そしてその「知っている人」になるための具体的な方法こそが、本書の核となっています。
■ サラリーマンこそ、会社を持つ時代
読み進めるうちに、「法人を持つ」ということの意味が、単なる節税テクニック以上のものに思えてきました。
マイクロ法人は、税制上の優遇を受ける“ツール”であると同時に、「自分の人生を経営する」ための仕組みでもあります。
これまで私たちは、会社に「雇われる」ことで生活の安定を得てきました。
でも今や、安定を得るためにこそ、自分自身が会社を持つ必要があるのです。
この逆転の発想こそ、橘さんの本が伝えようとしている最大のメッセージではないでしょうか。
法人を持つということは、自分の仕事の枠組みを自らデザインするということです。
「どんな事業をするか」「どんな収入構造にするか」を、自分の意思で決められる。
それはつまり、時間もお金も“自分でコントロールする”生き方への第一歩です。
■ 「節税」ではなく、「仕組みを変える」
節税という言葉を聞くと、どこか“裏技”のような印象を持つ人も多いかもしれません。
しかし本書で語られているマイクロ法人の発想は、グレーなテクニックではありません。
法律の枠内で、正しく制度を理解し、自分の働き方に合う最適解を見つけるという姿勢です。
たとえば、給与所得者は経費をほとんど計上できませんが、法人であれば必要経費を柔軟に扱えます。
また、社会保険の負担を最適化することで、可処分所得を増やすことも可能です。
これは単なる「節約」ではなく、“ルールの構造”を理解した上での戦略的行動です。
橘さんはこのように、国家や制度を敵視するのではなく、「社会のシステムを理解して上手に利用する」という成熟した個人のあり方を説いています。
その視点には、知的で現実的な“自由主義”の精神が感じられました。
■ 自分の人生を“経営”するということ
読後、私の中に残ったのは、「お金を稼ぐ」という意識から、「お金の仕組みを設計する」という意識への変化でした。
会社を辞めるかどうかではなく、自分の働き方をどうデザインするかが重要なのだと思います。
マイクロ法人をつくることは、単なる節税手段ではなく、
自分の人生を「雇われる側」から「経営する側」へと移行させる行為です。
それは一見ハードルが高そうに見えますが、
橘さんが示すデータや具体例を読むと、「意外と誰でもできることなのかもしれない」と感じます。
私たちが恐れているのは、制度ではなく、変化する勇気のなさなのかもしれません。

🌱まとめ
『新・貧乏はお金持ち』は、単なる節税指南書でも、ビジネス書でもありません。
これは、サラリーマンが「自分の会社を持つ」という選択を通じて、
“お金”と“自由”の関係を根本から見直すための思想書です。
橘玲さんは、働くことと生きることの境界線を溶かしながら、
「自分の人生を経営する」という新しい時代の哲学を提示しています。
豊かさとは、収入の多さではなく、仕組みを知り、自分で選べること。
その第一歩が、マイクロ法人という“個人のための会社”なのだと思います。



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